line1
PNo.222 スピッツ  
line3-2

line
ただのにぎやかし 
--------------------------------------------------------
>>PNo.230 フェブラリアへの返事
少し名残惜しげに、潤う唇。
気付かう問いに、少女は頬を染めた。

あなたの胸元に顔を埋めて、ちょっぴりくぐもった声で。


「ちょっとはぁ、手加減してほしいですぅ」

ほんの少し、怒ったような声を出す。
竜令嬢には、そんな演技をしても意味のないことなど、分かってはいるのだけれど。
それは照れ隠しの、わるあがき。

幸せすぎて、おかしくなっちゃうとこでしたよぉ?」


竜令嬢の寝処 スピッツ - (2022/05/23 17:11:14)
>>PNo.230 フェブラリアへの返事
温もりは、寄せ合った肌から。
優しい声と、穏やかな朝日。
心の中を見透かしたように、暖められる身体が。

自分でも、その感情に驚きを覚えるほど、嬉しくて。

たくさん夜更かし、しましたからぁ」


想いのやり場に困ってしまった少女は、小さく呟いてから、ほんの少しの間を置いて。
緩慢に顔を近づけ、あなたの唇を啄んだ。


竜令嬢の寝処 スピッツ - (2022/05/22 10:35:29)
>>PNo.695 シィナへの返事
Iconスピッツ - PNo.222



あなたの笑顔に手を振り返しながら、少女は走り去るあなたを見送った。
何を不安に思う様子もなく、あなたに案内された図書室の中をもう一度なぞるように。

記憶に刻み付けるように、歩いていた。


第五図書室【児童書】 スピッツ - (2022/05/22 0:42:16)
>>PNo.225 コルテへの返事
Iconスピッツ - PNo.222
それは、勿論分かってますぅ。

でも、でもぉ。

私は、ふぇぶ先輩より絶対に早く死にますぅ。
私はヒトで、ふぇぶ先輩は竜だからぁ。
ふぇぶ先輩の最期まで、私が一緒に居てあげることはできない、かも、ですぅ。

きっとルヴァルを残して死んじゃった初代さまも、同じ気持ちだっただろうからぁ。
あの二人は、私たちが成るかも知れなかった未来、なんですぅ」

Iconスピッツ - PNo.222
「だから、私たちが初代さまとルヴァルを、認めてあげなきゃぁ。
そう、二人で話し合ったんですぅ。

心配しないで、とも。
安心して、とも言えないですぅ。
でも私、精一杯頑張りますぅ。

コルテちゃんの、為にもねぇ」


メーア寮【海雪の間】 スピッツ - (2022/05/22 0:31:54)
>>PNo.335 ハルプへの返事
Iconスピッツ - PNo.222
「んぅ、ハルプ先輩ですねぇ。
私のことは、スピッツって呼んでくださると嬉しいですぅ!

ここにはよく来てた筈なんですけどぉ」


Iconスピッツ - PNo.222
「どうしてか、全然覚えてなくってぇ。
実際に来てみたら、何か思い出すかなあって。そしたら星空が綺麗で、見とれちゃってたんですぅ」

少女はそう言って、春の空を見上げた。
雪がと氷が解けて、なくなった世界の星空を。


月が綺麗に見える屋上 スピッツ - (2022/05/22 0:04:25)
>>PNo.695 シィナへの返事
Iconスピッツ - PNo.222
「そですよぉ。
私、メーア寮ですぅ。“海雪の間”ってお部屋で、お友達とふたりぐらしなんですよぉ」

少女はそう答えながら、胸元の絵本を大事そうに抱えなおした。あなたが去る気配を察して、見送るように。

Iconスピッツ - PNo.222
「良かったらぁ、こんど、訪ねてきてくださいねぇ。コルテちゃんと一緒に、歓迎しますからぁ!」


楽し気に、言った。
シィナ先輩ともっとお話したいですぅ、と。


第五図書室【児童書】 スピッツ - (2022/05/21 23:39:45)
>>PNo.230 フェブラリアへの返事
Iconスピッツ - PNo.222
「────ぅ」


柔らかな朝日が、部屋の中に射しこんでいる。
脇に追いやったカーディガンの内で、懐中時計の針が動きを止める。
少女は、瞼を上げる。
いつもより、大分お寝坊な朝。


ゆっくり、顔を動かした。
まだ、頭が暖かい湯に浸かっているかのようだ。

上掛けからはみ出た素肌の肩が、少し寒くて。
雛の様に温もりを探して、瞬きをする。

2/2


竜令嬢の寝処 スピッツ - (2022/05/21 13:09:20)
>>PNo.230 フェブラリアへの返事
Icon



──夢を見た。


手を繋いでいた。
大きくてしわしわな、硬くて渇いていて、暖かい手だった。
少女は、その手が好きだった。


光が満ちて。
瞬きをすると、手は白く細く、美しいそれに変わった。
顔を上げれば、大好きな青い竜が微笑んでいた。


幼い頃、小さなクレバスに落ちたことがあった。
昏く、青い青い氷の中で。声を出して泣けば、心が折れてしまいそうだから。

黙って涙を流す少女に、ずっと。
大きなクジラが、大きな氷たちと共に優しく唄いながら、寄り添っていた。


やがて沢山の手が、少女をクレバスの底から引き揚げる。
泣きながら竜令嬢に抱き着く、小さな少女を。


影のクジラは、音もなく見守っていた。


1/2


竜令嬢の寝処 - (2022/05/21 13:02:59)
>>PNo.695 シィナへの返事
Iconスピッツ - PNo.222
「あ、シィナ先輩もぉ、このお話好きなんですぅ?
ふふー。じゃあ一緒ですねぇ。
教えてくださったお友達さんに、感謝ですねぇ」


少女は本の借り方を教えてくれるというあなたに、喜んでついていく。
カウンターで貸し出しの処理を済ませて、少女は絵本を大切そうに脇に抱えた。

“常連であるはずの少女に”オオカミが図書室の利用法を教えている。
それを見、怪訝な表情をしていたであろう貸出係の生徒に、少女が気付くことはなかった。

Iconスピッツ - PNo.222
「シィナ先輩、ありがとうございますぅ。
これで、図書室も遠慮なく使えますねぇ」


第五図書室【児童書】 スピッツ - (2022/05/20 22:09:22)
>>PNo.695 シィナへの返事
あなたが様子をうかがっていることには、気付かずに。
少女は小さく微笑んだ。それは、懐かしさを含んだ笑み。

そこにある絵本に、違和感を感じる様子は無い。

Iconスピッツ - PNo.222
「そうなんですねぇ。
これ、私の故郷で有名だった絵本ですぅ。

私もお気に入りで、学園まで持って来てたんですけどぉ。いつの間にか、失くしちゃってぇ。
あれぇ。そう言えばあの絵本、誰が買ってくれたんだっけぇまぁ、いっかぁ」


Iconスピッツ - PNo.222
「このお話を好きでいてくれる人、他にもいたんですねぇ。
私、なんだか嬉しいですぅ」


第五図書室【児童書】 スピッツ - (2022/05/20 21:40:50)
<<前へ 次へ>>
--------------------------------------------------------
Twilog|Twitter|© 2021 loxia.
0