Secret Sphere

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PNo.284 デイヴ  
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ただのにぎやかし 
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>>PNo.516 サンディへの返事
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「おっ、出てきたな。
 ……妙に元気がないが」

Iconデイヴ - PNo.284
「……いや、そもそもさっきのカサカサは
 別に繁殖に必要な行為ではないということか」

 特に理由のない行為を理由のない行為と理解することは
 研究者であるデイビッドにとって一番難しいことなのかもしれない。

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「おい、こいつに元気がない時はどうすればいい?」


魔法創作同好会 デイヴ - (2022/01/28 0:22:05)
>>PNo.516 サンディへの返事

 保健室のじみた寝室には、誰もいない。
 今は二人だけだ。

 素直に寝かされたか、あるいはそうでないにしろ
 少年は一つ提案をする。

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「さて、気持ちの落ち着く茶でも淹れて来ようか。
 尻尾を外してもらえるか?」

 少しの間だけ経過を見させてもらう、と
 一度研究室の方へ戻る旨を伝えた。



>>PNo.516 サンディへの返事
 
 シラフと言ったり、症状があると言ったり。
 ものの数行で矛盾した発言に少年はかぶりを振った。

 しかし……今度もまた様子が随分と違って見える。

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「まったく、今度は何をコピーしたのやら」

 前はスライムエルフなりかけたこともあった。
 今度は何の性質だろうか、と、気にはなったが
 質問より優先すべきことがある。

 おねだりする少女を抱えて、ベッドのある部屋まで運んでいく。
 少年の手もさることながら、度重なる作業や重労働を経験した
 腕や胴もまた、華奢な骨格とは裏腹に
 しっかりとした厚みを帯びている。
 落とすことはまずないだろう、という安心感がある。
 
 寝室には一人用のベッドが二つ、カーテンで仕切られていた。
 どちらかと言うと保健室に近い構造をしている。

 ベッドの一つに、少女を下ろす。



>>PNo.516 サンディへの返事
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「?」

 なぜか歓喜の表情で箱をシェイクするサンディを見て首を傾げる。

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「……産んだか?」


魔法創作同好会 デイヴ - (2022/01/27 23:57:57)
>>PNo.516 サンディへの返事
Iconデイヴ - PNo.284
「だろうな。学生向けの商品が並ぶこの学園では
 中々お目に掛かれない箱だろうよ。
 当然の結果だ……」

 もっともデザイン自体は外注だ。
 デイビッドにそんな可愛げのあるものは、まだ難しい。
 彼が担当したのは主に材質だとか、
 保存状態を保つ簡単な刻印……といった部分だ。

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「しかし繁殖する……と言ったな。
 つがいは必要ないのか?」


魔法創作同好会 デイヴ - (2022/01/27 23:45:23)
>>PNo.516 サンディへの返事
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「小さいのになんだこの騒がしさは……」

 擬態する時もこんな調子なのだろうか。
 いやそんなはずはない、と観察しつつ。

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「エサはいらんのか?
 うーむ……まあ試しに奉仕させてみるとしよう」

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「ほれ、お前の家だ」

 試しにバレンタインに売る商品用に作っていた
 チョコレートの箱を差し出してみる。
 贈り物向けなので結構綺麗な箱だ。


魔法創作同好会 デイヴ - (2022/01/27 23:27:29)
>>PNo.516 サンディへの返事

 だからこそ、自分がしっかりしておかないといけない。
 この子を欲望のために利用する誰かが決していないと言えるほど、
 知的生命体の悪性は楽観できるものではないのだから。

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「もしも症状が治まらなければ、
 その時は俺がどうにかしてやる。

 俺は逃げない。 
 だから今は、滋養を摂ってゆっくり休め」

 休憩室のベッドは実験室と研究室のちょうど真ん中にある。
 どちらからでも行きやすいという寸法だ。
 一度眠ることを促す―――より先に、
 サンディの手にひとすじのリボンを握らせた。

Iconデイヴ - PNo.284
「身の危険を感じた時は、そのリボンを切れ。
 力を込めるだけでは普通の布程度には固いが、
 念じればお前の手の力でも
 千切れるようになっている。

 リボンが切れた時は、俺がすぐに駆け付ける。
 これでは不服か?」


>>PNo.516 サンディへの返事
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「……」

 かける言葉が見つからないまま、
 先ほども見たラブポーションの秘術書が見えた。
 神経にどう作用するのか確認してみたかったが、
 肝心の内容が薬液に滲んでしまっている。
 もしもこの内容が、直接的に性的興奮を促す成分なのだとすれば……?

Iconデイヴ - PNo.284
「……俺の症状は自然に回復した。
 お前のそれも、じきに収まるかもしれない」

 自分には魔力がない。
 しかし、自分がまだ物語に出てくる
 『万能の魔法使い』になれるのではないかと
 そういう誤解をしている。
 だがそれは、自分の無能に裏打ちされた『鋼の誤解』だ。
 多感なサンディはきっと、
 色々な誤解に振り回されてしまうのだろう。



>>PNo.516 サンディへの返事
Iconデイヴ - PNo.284
「……"過去の経験に基づいた短絡的な予測"だ。
 実際のところは、よくわかっていない」

 魔法の名家の出身でありながら、魔力のない長男坊。
 実家では腫れ物扱い。
 仲良くしてくれる友人とはたまにしか会えない。
 いつもはずっと、見下されて、気味悪がられている。
 ここでも似たようなものだと思っていたが、案外そうでもなかった。
 いい加減こちらでの扱われ方に慣れる方が賢明だろう、と
 自らを戒める。

 本人が違うというのであれば目の前の少女自身の反応を
 曇りなく正確に観察しなくてはならない。
 あるいは建前として―――
 否、自分の頭で考えるのは一旦やめにすべきだ。



>>PNo.516 サンディへの返事
Iconデイヴ - PNo.284
「だったら、お返しをしたいというのも
 俺の気持ちというやつだな。
 それをとんでもないものと扱われては困る」

 とんでもない、と言われると逆に素直になる。
 こっちはこっちで天邪鬼だった。

Iconデイヴ - PNo.284
「……」

 無駄に(?)足のついたダイス型包装紙を凝視する。
 これは何だ? 仕組みも制作意図もわからない。
 スパイとして潜り込ませる分には使えるかもしれないが……?

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「なんだこれは」


魔法創作同好会 デイヴ - (2022/01/25 23:49:27)
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